アルダブラゾウガメ玄の生活 ― 気は心と体をつなぐもの

整体生活・野口整体と生きることをひとつに

体の個性・個人の理解ー親知らずが生えてきた!3

 このところ、私は右側の首と肩がどうも痛かったのだが、もしやと思い口の中をのぞいたら、下顎二本の親知らず(智歯)が完全に姿を現していた…。というか、下顎は出たと思っていたらまだ途中だったらしい。それが完成したのだ。

 上顎も少しずつだが着々と歯が出てきている。親知らず第二波が来ていたようだ。

 この年になってピカピカの新しい歯が生えてくると、口の中が中古車に新品のパーツをつけた時のように、あるいは義歯を入れたように見えるのだが、こればかりは仕方がない。

 本当に、野口整体の学会があったら親知らずについての研究発表をしたいぐらいなのだが、とりあえず情報が必要な人の参考までに、現状を記録しておこうと思う。

 今、下顎の親知らずは左右とも完成してはいるが、唇の周りに少し違和感がある。顔の神経に影響するようで、唇の縁が痺れるような感じと、右の口角が少し荒れて赤くなっていて、右側の喉部分に痛みがある。

 口(顎関節)の開きと噛み合わせが前より良くなったが、やはり若い時と違って、今、大きく顎が動くというのは、神経系の影響が大きいのだろう。

 体癖の影響や年齢等、個人差があるとは思うが、私は特に下顎の変動の場合、首から上を触るより骨盤部を調整した方が全体に良いようだ。活元運動も腰の方が良く動く。

 今のペースだと、多分年内に上顎も完成予定と思うが、前回、上顎の変動があった時は首や頭部を触る方が良かった。

 私のように、20代を遠く過ぎてから親知らずが生えてきた人というのはかなり少数だとは思うが、どの位いるのだろう。おそらくこういう平均値からかけ離れた事例は、医学的には切り捨て対象、あるいは治療(抜歯)の対象かと思うが、私にとっては様々な学びがある。

 例えば、顎・肩・腰椎・骨盤の連動、親知らずと骨盤の発達との関係。こういうことをつぶさに観察できたのは、今の自分だからであり、若い時ならできなかった。

 そして、体というのは、標準的な年齢と関係なく、成長の方向へ動き続けているのだ、と改めて実感した。

 こういう観点はすべて野口整体の特徴的な観方で、それを自分で確かめられることはありがたい。私にとって、親知らずが生える時期は、きっと「今」なのだ。

 ところで、最近見始めたブログに

ameblo.jp

がある。

 原田氏は売れっ子マーケッターであり、大学教授でもあるが、父上がコロナワクチン接種後、重篤な副反応が起きて要介護となった。

 現在この父上の事例について、厚生労働省や病院などの対応、報道などに対する問題提起を行っている。

 原田氏は反ワクチンという考えの方ではなく、父上の事件の後に、母上はワクチン接種を受けている。

 原田氏自身も大学での集団接種はスルーしたが、今どうしてもやりたいアメリカの若者調査に行くためにはワクチン接種が避けられないので、悩んでいるという。

 原田氏はこの件で多くの支援の中、思わぬ無理解や誹謗中傷を受けたことについて、こんなことを書いている。

完全にその人の気持ちになったり、立場になったりするのって無理だ。

が、一度、マイノリティーの立場に立ったことがある人は、少し優しい気がした。気遣いが違う気がした。

人間、常に順風満帆な人は、やはり、ダメかもしれない。

(過去の僕はそれに近かったかもしれない。大したレベルではないが)

一度くらいマイノリティーな立場になると、完全にその人の気持ちになったり、立場になることは絶対に無理でも、マイノリティーな立場に置かれた時の心境は少しは想像できる。

僕は今回、マイノリティになることができた。

きっと僕はこれから少しは優しいマーケッターになることができるだろう。

大きな悲しい体験の中で、唯一見つけることができた、僕の希望です。

  集団免疫とか、パンデミックという言葉の中に、個人というものは見えない。COVID-19という病名にも罹患した人の個体性は含まれていない。副反応も「ごく少数の事例」で、「接種の合理性」の前に無力化されている。原田氏の父上の事例は、副反応の事例として政府に報告さえされていないという。

 ワクチン接種を受ける人も受けない人も、陰謀論とかワクチン接種の集団的な利益、などの「大きなお話」や「正しさ」から身体の問題を考えるのはやめた方がいい。

 本当は嫌だとか怖いとか、あるいは嬉しいとか、そういう個人的な「感情(主観)」の部分でどう感じているかをまずはっきりさせてほしい。考え、判断するのはそれからだ。頭の判断だけではなく、体で感じていることが、一人一人の健康を保つ上でははるかに重要なのだ。

 そして自分を離れ、自分以外の人を理解すること、多様な存在や選択があることも忘れないでほしい。

 原田氏の言う想像力と優しさの問題は、新型コロナウイルスに突き付けられている人間の課題だろう。それは個人が、ほんとうの心で「どう感じるか」にかかっている。