今日は働いている施設の畑にどんぐりを採りに行って、それを使って草木染をした。今習っているコサージュ作りで絹布を少し染める宿題が出て、久しぶりに草木染をやってみることにしたのだ。
まだ木に付いていた新しいどんぐりを木づちで叩いて煮出すと芳しい匂いが立つ。20代の頃はよくやったが、本当に久しぶりの草木染で感慨深かった。鉄媒染のどんぐり染めは優しい茶味のグレーで昔は橡(つるばみ)色と呼ばれた色の薄色だ。
本当は施設ですごく嫌なこと、悲しいことがあって、久しぶりに体調を崩して発熱し、朝起きられない位になってしまった。まさに退職5秒前という状態だったが、何とか気持ちを落ち着かせることができた。何だか自分の原点に立ち戻ることができたような感じがする。
これから染めた絹布に糊入れし、裁断するのだが、使う糊はなんとゼラチンである。私が習っているのはフランスの古典的技法なのでコーンスターチなどの昔からある天然素材なのだ。
古くは教会の修道女がバザーのために作ったコサージュの作り方だと言う。ヨーロッパではワインやお菓子、手芸など教会由来のものが多いが、カトリック教会は完全独立採算制で、バザーで資金稼ぎをする必要に迫られてのことらしい。
以前カトリックの神学を学んだ人から聞いた話では、学校であってもヴァチカンから資金が入ることはなく、ドネーション(寄付)を募るのだそうだ。
なかなか厳しい父性的宗教だと思うが、薬物依存症施設の中にはカトリック教会から支援を受けている所もあり、その分自由度も高いのかもしれない。
まだ月曜日が来るのは憂鬱で、逃げ出したい気もするけれど、何とか普段通りの朝を迎えられそうな気がしている。