アルダブラゾウガメ玄の生活 ― 気は心と体をつなぐもの

整体生活・野口整体と生きることをひとつに

夜、バスに乗る

 これから夜行バスに乗る。日本集団精神療法学会の治療共同体の研修に参加するために。自分でもここまでするとは、ちょっとこれまでの自分と違うかもと思う。もう若くはない私なのに、心はだんだん解放されていくような。

 でも夜行バスというのは疲れるものだと知った。3列シートの良いバスにしたつもりだったが、それでも疲れた。

 昔々中国にいた頃、夜行バスで旅行したことがあって、ゲルク派チベット僧とお供の小僧さんとご一緒したのを思い出す。

 昔の中国の長距離バスは寝台で、坊さんの隣に寝たのだった。それもバスが道に迷って2日位一緒にいたのだ。あの当時、あまり疲れた記憶がないが、やはり身体的に若かったからだろう。

 到着後、すぐに会場へ向かった。丸一日の研修で、やっぱりちょっとぼんやりする時間ができてしまったが、充実した時間が過ごせた。普段の仕事中の自分のふるまいを改めて振り返る良い機会になった。例によってあまり詳しく書けないのだが。

 夜にはまた深夜バスで東京に戻るという直行直帰旅。やっぱり時間があったら1泊したかった。

↓白蜜のわらび餅。おいしいきつねうどんの後に食べた。わらび餅は黒蜜が多いがこれもおいしかった。道頓堀今井にて

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休養と栄養

 この土日は、久しぶりになんの予定もない。昨日、新百合ヶ丘のイオンに寄って、ムツとイサキを半額で入手したので、昼からムツの水炊きを食べた。

 神奈川県産のムツは身もだし汁も完璧なおいしさで、私の生活では贅沢だったから、何だか明治時代の作家の放蕩生活みたい…と思った。夜はイサキのポワレ。これもおいしかった。

 ついでに書くと、今日買った洋梨もおいしかった。マルグリット・マリーラというフランスの品種だと思うが、生産量が少なくあまり出回らないらしい。

 まぁ、こんなふうに身体を休めておいしいものに浸る贅沢も必要な時間だと思う。受験の結果は気になるけれど、待つしかないと思いつつ。 

 私はこれまで、試験に落ちたという経験がほとんどない。これは決して私がお利口だからではない。能力や価値観によって意味は違うけれど、私は自分を超えていくようなチャレンジををしてこなかった結果、そうなっただけだ。

 今回の受験は私にとって勝算なしで挑んだかなりのチャレンジだったから、それだけで大したものだとも思っている。

 ともかくtime will tellということ、だ。明日もお休み。

 

 

戦いすんで日が暮れて

 試験が終わった。泣いても笑っても、とよく言うけど、どちらかと言うと涙。駄目だったかな…という気がしてならない。国試は数年前受けたが入学試験なんて言いたくない位ぶりだったなぁ。

 まあよくやった、6倍の倍率と言われているのによく挑戦した、怖じ気づかずに頑張ったと思う。

 帰りに府中に寄ってカフェサンクでランチ。大國魂神社に先にお参りすべきかと思いながら、疲れが先に立って休むことにしたのだ。

 カレーボックスという角食パンをくり抜いて、ひよこ豆とチキンのカレーを入れたものを頼んでみた。来てみると想像以上のボリュームだったがカレーもパンもおいしかった。

 そして大國魂神社へ。全国の日本酒の試飲などができるイベントをやっていて、参詣者も多くなかなかの人出だった。

 国試の時より孤独な戦いで、一人の友人以外誰にも受験のことを話さなかった。不合格の可能性が高い試験で、何だか言い出せなかったのだ。ブログにすら受験するとは書けなかったな…。受かったら職場にも報告しなければならないが、駄目だったらこのまま黙っていようと思う。

 試験の後、前の席に座っていた女性と目が合って、笑い合った。時間がなかった!と彼女は言った。目の大きな、優しい可愛らしい雰囲気の方だった。私はとにかく頑張ったよ!と思わず言った。

 この受験をするに至った経緯については書きたいことが様々あるのだがあまりに疲れたので書けそうもない。明日も休みでよかった…。

 

 

 

生きづらさはどこからくるのか

 専門学校の卒業生の集まりで、風テラス理事の橋本久美子さんのお話を聞く機会があった。

 風テラスは風俗で働く女性のための相談施設で、橋本さんは母子支援施設の職員でもあり、風俗で働く女性のためのアウトリーチ活動をしているレスキュー・ハブのスーパーバイザーでもあるという情熱溢れる女性である。

 橋本さんは私はフェミニストです!と表明している方だが、フェミニストと言うと多くの人(特に男性)から「怖い!』と言われるのだそうだ。

 それはともかく、私は風俗で働く方と直接話をした経験がなく、実像というのを初めて知った部分も多かった。今後、法改正で買う側も処罰の対象になるが、橋本さんは大きな一歩と評価していた。韓国などアジア、ヨーロッパではそういう国の方が多数であり、日本は遅いのだが進歩と言えるだろう。

 性産業で稼げるのはほんの一握りの女性で、生活保護ライン程度の収入であることも多いそうだ。精神障害や知的障害のある女性の割合は高く、貧困や債務、DVなどがきっかけで始まり、他の仕事に就けないことが理由であることが多い。

 橋本さんは半福祉、半就労という柔軟な支援が必要だと言っていた。ベーシックインカムではないけれど、最低限生きて行けるだけの保護をすることで人生上の選択肢が増える人は相当数いると思う。

 私自身、性産業、売春と言うと、転落した人というような見方があったが、根本的にそれは違うということに気づかされた。橋本さんは、突き詰めると自分の中の倫理観が問われているんだと言っていたことも心に残っている。

 支援する人と受ける人は対等だと支援する側がいくら思っていても、受ける側にとってはそうとは思えないことが多々あって、強い立場にある自分の権力や支配欲を自覚しなければと言っていた。等しく権利があるから福祉があるとという考えが主流だけれど、人間は平等ではないから福祉があるという一面があることを忘れないでいようと思う。

 橋本さんのお話はほんとうにリアルで真に迫る内容だった。そして何より橋本さん自身が魅力ある人で、怒りを感じ表出し、感情を強い意志と行動の原動力とすることのできる人だった。福祉に関心のある人にはぜひ知っておいてほしい稀有な方である。著書もあるのでぜひ。

風テラス

https://futeras.org/

 

夏の終わりのグループ

 土日にかけて、東京集団精神療法研究所のグループに参加。内容は書けないけれど密度ある時間で、夕食の後いつの間にか寝落ちしていた。

 自分でも全然話すこたを考えていなかったことを話し、始まる前に話そうと思っていたことはまったく話さずに終わった。しかしこれで良かったのだと思う。

 たまたま昼に入ったピースというラーメン屋さんの塩ラーメンは印象に残る美味しさだった。

 まだ眠いし内容も書けないのでこれぐらいにするけれど、グループのなかでの自分が確実に変化してきたのを強く感じる。もちろん快の方向に。毎月グループに参加してきたのも大きいだろう。

 それにしても疲れた…。明日もお休みでよかった。

 

 

青いドアのあるカレースタンド

 仕事帰りに新百合ヶ丘のイオンに寄り道して、ベイクドチーズケーキとコーヒーで休憩した。

 本当に暑い日が数日続いていて、レアチーズやアイスコーヒーにソフトクリームをのせてみるのも頭をよぎったが、気が乗らなかった。暑くても夏の体は着実に変わろうとしているのだろう。

 その帰りだった。私が店の前を通る時はいつもcloseの看板が出ていたカレーショップが開いていてお客さんが入っている。マダムがどうぞと声をかけてきた。

 カレーとしてはホテル並みのお値段だがずっと興味を持っていたので、思い切って入ってみた。階段下の3坪ほどの店はカウンター席とテラス席のみ。欧風カレーとハーブカレーのハーフ&ハーフを勧められてそれを頼んだ。

 カレーはマダムが編み出したスペシャルカレーで、薬膳的な雰囲気があるがインドカレーではなない。25年やっている、とマダムが言った。

 9種的マダムの気が充ちたカレーも付け合わせのピクルスも自家製で美味しく、食後にレモングラスのハーブティーが出る。

 そして入ってから知ったのだが、ここには願い事を叶える小さな青いドア(勝手口?)があって、潜る時に言い切り(…になる!)で願い事を唱えるとそれが叶うのだそうだ。

 紙のランチョンマットはお守りになるそうで、受験生の先客は紙をたたんで大切にバッグに入れ、小さなドアを潜って出ていった。

 マダム曰く、占い師も長年来ていて、理由は自分のことは占えないから、なのだそうだ。お店は小さいが不思議と狭いという感じはしない。

 不思議なドアは丁度茶室の躙り口のようで、このお店は茶室みたいですね、と言ったらマダムは笑っていた。

 全然知らずに入ったがじつは有名店だったようだ。大いなる願い事(野望?)を抱く今の私には願ってもないことなので、有り難くやらせて頂くことにした。しかしこんなことってあるだろうか…。こんなお店初めてだなと思いつつ。

 うまく行ったら、またお礼参りに来よう。

Wildness、中年クライシス

 先日、個人指導の中でWildness(野生)のことが話に出た。きっかけは、その日、感情の表出が話の焦点になり、以前読んだ河合隼雄の『中年クライシス』に出てきた内容を思い出したのだ。

 中年期以降の心理学というのはユングの真骨頂とも言うべき内容だが、ユングに限らず最近ミッドライフ・クライシスとして注目されている。

『中年クライシス』は小説を題材に中年期の心理的危機について語る内容で、数年前『中年危機』と改題されて再版されたようだ。河合隼雄の著書の中でも特に心に残る一冊だった。

 その中に本間洋平『家族ゲーム』を主題にしたワイルドネスについての章があって、河合隼雄は

「簡単に予測したりコントロールしたりできないもの、それがワイルドネスの特徴である。」

と言っている。そして中年期というのは、自分のなかのワイルドネスとのつながりを取り戻す時期だと言う。それが中年期の課題であり自己実現への道ということだ。

 反射的に湧き起こる感情もワイルドネスの表れと言えるだろう。しかし感情を抑え表に出さないことで適応し、生きてきた人にとっては嫌悪の対象ともなることがある。

 しかし本気で何かに向きあう、本気を出すというのはワイルドネスとつながらずにはできないことだと思う。

 そして野口整体はワイルドネス、野生と共生し活かしていくのを目標としている。起こる症状の多くもワイルドネスの表れとして捉えられることが多いのもユングの考えと共通している。

 年を取るとなまじいろんなことを知ってしまうがゆえにコントロール欲が強くなる。それは自分に対しても、人に対しても、だ。先週に続いて、コントロールを手放すことについて考えることになった。成熟するというのは、やっぱり深い。