アルダブラゾウガメ玄の生活 ― 気は心と体をつなぐもの

整体生活・野口整体と生きることをひとつに

年末にまた脾臓と出くわす

 2019年後半ぐらいから、私は新型コロナウイルスの問題が起きてから脾臓に関心を持ち、シュタイナーの脾臓についての考えや、中国医学での「脾」の機能、野口整体での「脾臓と胸椎七番」について勉強していた。今年の1月、2月にはこのブログでもそのことを書いたことがある。

 しかしここにきて、また脾臓というテーマが浮上してきた。きっかけは脾臓を摘出した人と、mRNAワクチンを打った後、経過が思わしくない人の背骨の変化の仕方が似ていると分かったことで、脾臓とCOVID-19、そして脾臓とmRNAワクチンについて勉強し始めている。

 新型コロナウイルスについての新たな知見に目を通す中で、印象に残ったのは土地の病気(風土病的な)と新型コロナウイルスに対する抵抗力の関係だった。

 最近、日本で重症化率や死亡率が低い理由として、日本人の6~7割位の人が持っている白血球の型が関与している可能性があるというニュースがあった。

 以前から言われていたが、これまでに感染したコロナウイルスの記憶を、新型コロナウイルスに対して応用し抵抗しているという説で、その白血球の型が特定されたということのようだ。

 その他にも、「扁桃」という口の奥の左右にあるリンパ組織の中に、新型コロナウイルスと戦える能力(交叉免疫)をすでに獲得している免疫細胞が存在することも分かっている。

 日本人は乳幼児の頃に90%以上の人が感染する(無症状)、EBウイルスを撃退する免疫細胞に似た特徴を持っているそうだ。

 アメリカのEBウイルス感染率は20%とのことで、このEBウイルス感染の有無も交叉免疫と関わっていると考えられている。

 また、アフリカのウガンダでは、マラリア感染の既往がある人はCOVID-19の重症化率が低いという研究結果がある(以上、久留米大学医学部免疫学講座 HPより)。

 アフリカのマラリアはアジアのマラリアと異なり、地域によっては人口調整圧になっていた程、より致死性の高い伝染病ではあるが、多くの子どもが小学校ぐらいまでに感染すると言われる。

 確かにアフリカでは新型コロナウイルス重症化の問題が大きくなっていないようで、そこには平均年齢の若さだけではない背景があるということだ。

 それにしても、アフリカ大陸の中では先進地域の南アフリカでオミクロン株などが出てくるのは皮肉なことである…。WHOはアフリカでのワクチン接種を進めようとしているが、地元ではあまり需要がないらしい。

 マラリアがアフリカの風土病であるように、EBウイルス、またいくつかの風邪症状を起こすコロナウイルスは、おそらく日本の風土病的なものである。こうしたウイルスに感染する経験が、新型コロナウイルスに対する抵抗力ともなっていることは忘れてはならないだろう。

 それと、やはり免疫というのは、このウイルスにはこの抗体と特定して対抗するのではなく、ざっくりと多様な相手に応用できる方が適応的なのだ。

 もうすぐ2021年が終わる。抗生物質もワクチンもなく、ウイルスの分離さえできなかったスペインインフルエンザの時代でも、大体三年でパンデミックが収束している。それを踏まえると、このパンデミックは2022年で収束するのかもしれない。でもその後、どんな世界になるのだろう?

 漠然とした不安はあるけれど、今、あんまり暗いことは考えたくないし、言いたくない。それよりも、このコロナ禍で見えてきたこと、感じたこと、経験したことは次の世界を生きるために必要な事だったと思っている。

 何はともあれ、良いお年を。昔の人のように、年越しには新しい魂(たま)を得て再生しましょう。