アルダブラゾウガメ玄の生活 ― 気は心と体をつなぐもの

整体生活・野口整体と生きることをひとつに

冷え対策と熟睡のための蒲団乾燥機

機械的?整体生活のすすめ 

 このところ、読んでいるブログに、偶然、知人の女性写真家の名前が出てきたことを書いたが、先日は自身の「冷え性」について書いていた。

 偶然は重なるもので、実はこの女性写真家にも、体の問題として「冷え」があった。彼女は野口整体を始める前、温熱療法というのをやっていたが、それは冷えがきっかけだった。「手がかじかんでシャッターが遅れてしまうぐらいだった」と言っていた。彼女のカメラは戦前の、重箱みたいに大きなカメラだったから、大変だっただろう。

 梅雨や秋口など湿度が高く涼しい日が続いた時などの汗が出にくい時、また暑い中から急に涼しい所に入って、汗が引っ込んでしまう時。また睡眠中やエアコンの風が当たった時(特に背中)に、冷えが入り込む(体温が上げて恒常性を維持することができなくなる)ということはある。こういう時は体も硬くなるものだ。

 しかし、このブログの書き手も、知人の女性写真家も、そういう急性症状的・気温や季節の問題より、頭の緊張が続いている・脳が休まらないことによるものが大きいように思う。

(カメラというのは、眼と脳の機能を特化し、機械化したものと言えるが、体の機能をそうやって延長させていっただけに、撮影するという行為、撮った内容を作品にする行為というのは、脳と神経系に普通以上の負担をかけるのかもしれない。)

 今、冷えの問題というのは深刻化していて、冷え対策「温活」の市場規模は2000億円という。しかし、多くの場合はストレスが絡んでいて、保温・加温だけでは改善が難しく、睡眠の質の低下と一つであることが多い。冷やごはんではあるまいし、やっぱり人間は自ら熱を発し、恒常性を保つのが自然だと思う。

 冷えのための整体法(足湯など)もあり、すでに野口整体関連の本で紹介されているのでそれを当たってほしいとも思うが、どんなことが適うかは体を観ないと何とも言えない。それに、野口整体が焦点を当てているポイントが分からないまま、他の手当て法と同じようなつもりで行ってもあまりうまくいかないことが多い。

 そこで、お勧めしたいのがこちら!と、テレビの通販番組のように私が推すのは蒲団乾燥機の積極的活用だ。これは野口整体に関心がある人、ない人、万人向けに知ってほしいことなので紹介したい。

蒲団と枕を乾かせ

神経の麻痺するを防ぎ

神経の活力を喚起す

(『野口晴哉著作全集第一巻』昭和5年

  これは、野口晴哉が二十歳頃に書いた全生訓の冒頭だが、私はこれを初めて読んだ時、「蒲団を干すのってそんなに大事なのかな」と、あまりしかとは受け止めなかった。

 しかし、私の師匠はこれを実践しており、ベッドだったため、毎日蒲団乾燥機を使っていた。その後、先生から布団乾燥機のお下がりを貰い、私も実践するようになったが、その効果は想像以上のものだった。始めたのが冬だったせいもあるが、本当に眠りが深くなる。

 寝具に湿気があると、呼吸がしにくくなるし、そうなると自ずと神経は鎮まらないものだ。今のように暑い時期でも、毎日、蒲団を乾かすことは大切にしてほしい。なんとかクラスターとか、イオンとかが出るのは好みでよい(どうでもいい)が、温風も普通の送風もできる方がいいかもしれない。

 寝つきが悪い、眠りが浅いという人のみならず、冷え性の人にも、ぜひ眠る前の習慣として、蒲団乾燥機の導入をお勧めする。