アルダブラゾウガメ玄の生活 ― 気は心と体をつなぐもの

整体生活・野口整体と生きることをひとつに

なぜインフルエンザが流行しないのか についての追記

 前回のブログで挙げた、

①コロナ対策として、手洗い、消毒、マスクなどの予防が徹底されているため。

という理由について追記。

 じゃ、インフルエンザが流行らないのは当然でしょ?と思う人もいるかと思うが、ではなぜここまでやっているのに新型コロナウイルスはどんどん増えるのか?という疑問が残る。感染力の違いも考えられるけれど、感染感受性の方を考える方がいいのではないか。

 新型コロナウイルス感染症が重症化するか否かは、自然免疫の働きのありようによる、と以前に書いた。

 きっと東洋では、風土的に日々接することの多いコロナウイルス一族に対して、抗体という対立的なやり方(ターゲットを定めて専用の武器を開発して攻撃する)ではなく、自然免疫という、対立しない、ゆるいやり方で対応していくことを選んだのではないか。この方が変異しやすいウイルスに対して、合目的的だったのだろう。

 アジアで死亡者が少ないファクターXとして「交差免疫」ということが言われている。これはT細胞という免疫細胞が、過去に接したコロナウイルス全般に対する反応を記憶していて、それを新型コロナウイルスに応用しているという説である。

 こういう生命のはたらきは、本当に東洋的叡智のみなもとという感がある。

 また、インフルエンザは新型コロナウイルスより発症しやすいと言われるが、これは、「体がどう対応すればいいか知っている」のだとも言える。

 多くの「つらい症状」と言われるもの、下痢、発熱、せき、鼻水、体の痛みなどの多くは、重症化しないようにするための抵抗力の表れである。

 招かれざる客には、外界に接する器官(消化管、気道など。ロビーのようなところ)できちんと対応し、中枢神経など深部に影響が出ないようにするのだ。こうした免疫系のはたらきは、感染の経験によって発達し、病症経過によって経験値が蓄積されていく。

 野口晴哉野口整体を創始した時代は、まさに感染症の全盛期という時代で、「風邪の効用」で知られる野口晴哉の病症観は、この時代の経験が基礎となっている。

 それは、感染と軽度の発症はある程度受容し、ウイルスという外界の敵ではなく、個々の内側の条件…免疫系やストレス耐性、弾力などに注目し、そのはたらきを高めていくことが中心にある。

 野口整体新型コロナウイルスの知見はなく、現在、最前線で働く西洋医学の医療関係者には頭が下がる思いでいる。ただ、ワクチンと治療薬の開発でウイルスと闘う…というだけではない研究の在り方、科学の使い道というのもあるのでは?と思う。