アルダブラゾウガメ玄の生活 ― 気は心と体をつなぐもの

野口整体を探究・実践する「整体生活」について

親知らずが生えてきた!2

親知らずと現代人

 親知らずが、また動き出した。今度は左上顎。先行した右上顎はまだ半分ぐらいしか生えおらず、左の方の勢いがいい。頸椎2番に焦点があるようだ。でも頭に愉気する方が全体的な経過にはいいように思う。

 例によって「このブログにしては」という数字なのだが、親知らずについて前回書いた記事を読む人が意外といる。それにどういうわけか、私の知る限りでは、野口晴哉先生は親知らずについてあまり言及していない。

 虫歯の話(救急操法もある)はあるのになぜだろう?野口先生の時代(戦前~1970年代前半)は、今ほど親知らずが問題になっていなかったのだろうか。

野口整体を愉しむ 」というブログには、相当広範囲に野口先生の講義内容が紹介されているけれど、親知らずについての資料はなかったように思う。整体的親知らずの経過法を知りたい人が意外といるのだろうか。

(この記事を読んでくれた人で、何か御存知の方は是非ご教示ください。)

 今は「親知らずが横向きになっている」とか、いろんな問題があって、「親知らずの抜歯は修羅場だった」という話をよく聞く。理由は分からないが、下顎の親知らず抜歯は麻酔が効きにくいのだそうで、全身麻酔で行うこともあるという。

 よく顎が小さいとちゃんと生えないなどと言われるが、私の顎は視界も認めるほど小さい方だが、まっすぐ生えている。ちゃんと生えるかどうかは顎関節と骨盤の可動性の問題(顎と骨盤は連動している)で、実際に親知らずが生える時、顎の骨は動くものだ。

 正式には15才臼歯というのだから、本来ならば思春期後期までに生える歯で、骨盤が動くのと一緒に生えるのだろう。下顎の時の方が、骨盤部との関連をつよく感じた。

 前回、右顎の親知らずが生えてきた時、私は「親知らずが生えたり生えなかったりするのはなぜか」をネットで調べてみたのだが、なかなか興味深いので、紹介しよう。

歯科人類学を研究する歯科医師のHPによると、縄文人と言われる南方系モンゴロイド系は、親知らずが四本とも生える人が半数以上、弥生人と言われる中国・朝鮮半島からの渡来人(北方モンゴロイド系)の遺伝子が濃い人は、親知らずの欠損率(四本ともない、または欠損している)人が多いのだという(欠損は歯茎に潜っているのではなく、歯根がないという意味)。

 つまり、現代日本人が形成される過程で、親知らずの欠損率は高くなっていったのだが、戦後、親知らずが生える人が増加傾向にあるのだそうで、なぜこれまでの過程に逆行するような現象が起こっているのか、理由はまだ分からないという。それと同じ時期に変化しているのは高身長化と性成熟の速さ(第二次性徴の早期化)なのだそうだ。

 でも、親知らずがある人が増えても、きちんと生える人は少なくて、修羅場になるケースが多いというのは、あまり良い傾向とは言えない。少なくとも「野性を取り戻している」などとは言えないだろう。

 野口先生は親知らずのことは言っていないけれど、大脳が偏って発達することで体が鈍くなると「体が野蛮化する」という問題は指摘していて、その例として戦後の初潮年齢の早期化を挙げている。「体が野蛮化する」というのは、脳と体の統制が乱れる、体から人間的な特性が失われる、ということだ。

 皮膚感覚が鈍くなる、姿勢の乱れ(姿勢制御の神経系と深層筋の退化や未発達)のもそういう傾向の表れかと思う。

 親知らずの問題は、体の発達のアンバランスと鈍りという、意外と深い問題にかかわっているのだろうか。