アルダブラゾウガメ玄の生活 ― 気は心と体をつなぐもの

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Covid-19陽性の理学所見

北京で「脳脊髄液から新型コロナ検出」の衝撃

地壇病院が今回の症例を公表した文章の中で、重症医学科主任の劉景院は第一線の医療関係者に対し、次のように注意を促している。

「臨床観察で項部硬直(訳注:後頭部やうなじの筋肉が反射的に緊張して生じる抵抗)が見つかれば、それは陽性であることを意味する。突発的な意識障害や意識不明に至った場合は、新型コロナウイルスが中枢神経系に感染した可能性を念頭に置き、直ちに脳脊髄液の検査を実施し、新型コロナウイルス核酸検査(訳注:PCR検査など)を行う必要がある」

3/13(金) 5:45配信東洋経済オンライン より

  これは、先週ネットで見つけた記事の中の一部分だが、私は「脳脊髄液から新型コロナ検出」よりも、劉景院医師が陽性判定の理学所見を述べていることに驚き、感心してしまった。

(ちなみに脳にウイルスが入って起こる症状の多くは、ウイルスそのものによってというよりも、ウイルスに対する宿主側の免疫反応、炎症反応の結果として起こるという)

 理学診断というのは、「五感を使って、最低限の道具で患者さんの状態を把握すること」(知人の医師による説明)なのだが、日本では患者に触れるということそのものが医療から消えつつある。ことに感染症の患者に対しては、まずないのではないだろうか。

 そういう中で、劉医師はじかに患者に手で触れて、捉えたことを堂々と述べているのだ。これはアメリカやヨーロッパ(日本も)の西洋医学の医師からは出てこない所見なのではないだろうか。整体をやっている人間には、こういうことの方が、臨床ではずっと意味のあることではないかと思えるのだが、一顧だにされないだろうな…。

 私がこれまで見た中では、近年使用されている帯状疱疹の特効薬を打った人(男女二名)が、ちくちくした痛みが抜けなくなった時も頸椎が硬くなっていた(頸椎と頭の操法で経過)。ウイルス感染症一般に経過が良くない時、首が硬くなるのかなとも思うのだが、劉先生の理学所見はもっと活かされるべきだと思う。