アルダブラゾウガメ玄の生活 ― 気は心と体をつなぐもの

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インフルエンザ患者激減と新型コロナウイルス

 ネット配信のニュースで「コロナとダブル流行なんて言われてたけど、「インフルエンザ患者」がほぼゼロになっていた」(現代ビジネス)という記事を読んだ。

 この記事では、製薬会社や開業医が「患者激減で経営に困っている」という内容や、大げさに騒いだコメンテーターについての批判的内容が書かれているが、ここでは私が関心を持ったことを拾い出して考えてみたい。

1 インフルエンザの患者数

全国で171人(11月15日まで)。

昨年のインフルエンザの累計患者数は729万人、一昨年は1200万人。ここ5年間の平均患者数約1000万人と比較すると、今年は0・001%。

 '19年の11月第1週は5084人で、今年は24人。

 今年、インフルエンザによる死亡者はまだゼロだが、例年、約3000人が亡くなり、インフルエンザに罹ったことで、持病が悪化して死亡する人は年間1万人。

新型コロナウイルスによる死者数は2022人(11月26日時点)。

2 なぜインフルエンザが流行しないのか

①コロナ対策として、手洗い、消毒、マスクなどの予防が徹底されているため。

コロナとインフルエンザは、飛沫感染がほとんどで感染経路がほぼ同じ。そのため、コロナを予防することが、同時にインフルエンザも防いでいると考えられる。

②「ウイルス干渉」…体内の細胞があるウイルスに感染すると、他のウイルスに感染しにくくなること

 ウイルスAがその生物に吸着するのに必要な受容体(レセプター)を占領するため、あとから来たウイルスBが吸着できなくなる。

②が理由だとすると、無症状で新型コロナに感染している人は、かなりの数がいると推測され、それが結果的にインフルエンザの流行を抑制している可能性が高い

 なお、インフルエンザワクチンの出荷量は、11月20日時点で3120万本。昨年の同時期は2880万本で1・08倍の増加(厚労省)。

 またワクチンは重症化することは防げても、感染を防ぐわけではない。そのため、インフルエンザのワクチン接種は患者数減少との関連はあまりないと考えられる。

 その他、「今年の1~3月もインフルエンザの流行がなく、その傾向は今冬も続いている」(沢井製薬)、とのことで、海外においても、南半球では8月にインフルエンザが流行するが、今年はほとんど感染者が出なかったので、日本でもインフルエンザが減るという予測はされていたという。

  COVID-19が今年のインフルエンザじゃないのかな…と私などは思ってしまったが、ま、それはちょっと置いておこう。気になるのは日本人のほとんどがすでに感染したという説を裏付ける「ウイルス干渉」という説だ。

 病気には流行り廃りがあって、「特効薬がない」とされている病気の方が流行るとか、「大流行!」「発症するとこうなる、重症化リスクはこれだ」と大々的に報道され、話題性が高まると患者が増える(医療技術の進歩とともに次々に新しい病気が生まれ、病者が増えていく!)とか、そういう見方をするのは整体馬鹿だけだとしても、「ウイルス干渉」説はもっと普遍的に注目すべきことだと思う。

 また、以前書いたように、野口晴哉は「黄色人種はインフルエンザに強い」と言っているのだが、私個人は、コロナウイルス系の感染症は中国を中心とした東アジアの風土病的なものという意味かと思っている。

 人種云々というより、東アジアではコロナウイルスに接する機会が多く、つきあいの歴史も長いのだろう。

 新型コロナウイルスでもアジア地域の重症化率、死亡率は一体に低いそうだ。感染症パンデミックは、発生源から遠くなる程ひどくなる傾向があるとしても、コロナウイルス一族とのおつきあいが長いという素地もあるかと思う。

 アメリカやヨーロッパの二世、三世は、新型コロナウイルス感染で多人種とあまり重症化率が変わらないという報告があるのは、そういう環境にないからではないだろうか。

 まあとにかく、上虚下実で無心、天心。東洋の心であり、野口整体の心でもあるけれど、それを保つのが感染防御になる。また、中国に批判が集まっているけれど、中国国内ではCOVID-19に中国伝統医学が効果を上げていると言う(以前の報道)。西洋医学の先端医療だけでなく、そこから学ぶ必要もあるのではないだろうか。