今回は福祉系のマニアックな話で整体とはあまり関係ない話。最初におことわりしておく。
先日、私は友だちとあるシンポジウムに参加した。そこでの内容はSNSなどで書いたりしてはいけないことになっているのだが(多分当事者の話もあったため)、本にもなっている国内の女性刑務所で行われたモデル事業の事例発表のことを少しだけ書きたい。
それは女子依存症回復支援センター事業というもので、私はその週間プログラムの内容に目を見開いた。それは私がぼんやりと妄想?していた施設プログラムの内容にかなり近かったからだ。
刑務作業の中に手仕事&アート、グループミーティング、身体から心へはたらきかけるグループワークが半分以上組み込まれていて、刑務作業では農作業(いちご)が行われていた。
シンポジウムの後、友だちにこのプログラムに感動した話をすると、「デイケアってこれに近くない?」と言われた。確かにそうだが、だいたいデイケアというのは1つ1つのプログラムが単体で、それの集合体になっていることが多い。一貫した目的や理念というのはあまりないことも多い気がする。
それにお仕事の時間がない。私が言うお仕事とは収入源というよりも、他者や社会に役立つ、またそれらとつながる活動をすることで、医療の1部であるデイケアでは農作業などもそこまで考えられないことが多い。
では地域ではどうかと言うと、多機能型施設というのがあって、就労関係の施設(B型、就労移行)、生活介護、グループホームなどが一体となっており、形態としてはこれに近いが、プログラムが多いというより、施設の機能が複合しているという意味が強いと思う。プログラムが多いとデイケアのようになりやすい感もある。
まぁものすごくざっくり言ってみただけで、様々な団体で多様な試みがなされていることも付け加えておく。
近年、統合失調症の軽症化が指摘されており、統合失調症の患者数は一定だがそれ以外の精神疾患、また発達障害を持つ人の数は激増しているという現状がある。
依存症の領域でも従来のアルコール依存症、覚せい剤など違法薬物依存症は減り、合法薬物のオーバードーズが増えている。
このように障害を持つ人の実像やニーズが変化してきているのだ。そういう中で、今の制度、施設のあり方は今後変化していく必要があると言われている。なかなか難しいが…。
私は、まだうまく説明できないが、このプログラムのあり方は大きな示唆になるものだと感じた。仕事、畑、手工芸、グループミーティング、個人の理解、身体技法…。
私の大好き分野ばかりというだけでなく、全体に一貫した理念があってスタッフがそれを共有して実践している。地域にこういう場があったらどんなにいいだろう、と妄想してしまう。
私は福祉の世界に入ったばかりの駆け出しで夢見がちであることは認めなければならないが、塀の中でこれを実践した人がいるのだ。
しかし一方でそれが入札制度によって廃止されたこと、このプログラムで取り戻した自分に対する信頼を、出所後に社会の中で見失う人が多かったことも併せ、記憶にとどめておきたい。