ここ3、4日、熱海にいた。私はかつて長いこと熱海に住んでいたから、懐かしい思い出深い場所である。そして今回、改めて熱海という土地の持つ、少々浮世離れした特異性を改めて感じられたように思った。何というか、裸になれるような、素の自分に戻っていくような気がするのだ。
数日間の滞在ではあったが、熱海で整体の師匠といたころの自分を振り返りながら、今の生活でいつの間にか溜まっていた心のくすみのようなものを払って澄んだ状態を取り戻せたような気がする。
熱海に向かう前、指導をしている人から終末期にある父親についてのメールを貰った。私も父が胃摘手術後の恢復期にあるので、何となく共時性を感じながらそれを読んだ。
私は『病人と看病人』(野口晴哉 全生社)を読むことを勧めたのだが、その人は読んだ後に「そばにいることで安心感を与えられるようになりたい」と思った、と言う。一番大切なことを掴んでくれて嬉しくなった。こういう本というのは経験して初めて分かるようになる内容も多いので、読んでもらえて良かったと思う。
私は整体の師匠が亡くなった後この本を読み返したのだが、その時は自分の至らなさが思い出されて悲しかった。私はどこか先生に甘えたままだったのだと思う。そういう私と較べると、私が指導している人は気がしっかりしていると思う。お恥ずかしい限りだけれど、こうやって私も一緒に学んでいくしかないんだな、きっと。
なんだか、熱海で受けた影響か、頭があんまり働かない…。又思いついたら書くことにしよう。