アルダブラゾウガメ玄の生活 ― 気は心と体をつなぐもの

野口整体を探究・実践する「整体生活」について

愉気法と抵抗力の発揮

 先日、マツモトキヨシに行ったのだが、その時、店内でいきなり宮本浩次の歌が流れた。それも出たばかりのカバーアルバム『Romance』の「あなた」。あの昭和の歌謡曲だ。

 エレファントカシマシは昔からあるバンドだが、宮本氏の歌がすごく刺さるようになったのはつい最近だ。私はマツキヨでトイレットペーパー(12r)を抱え、立ちつくしたまま一曲聞いてしまった。ほぼBlues。ほしいな…。

 それはともかく、前回、電話で経過のための助言をした人から、「手を当てるということを教わったのが一番だった」という電話があった。

 一般にも傷の手当てなどと言うけれど、野口整体には愉気法というのがあって、自分や家族などに行う手当て法がある。一般向けとしては、慢性ではなく急性の症状が起こった時、明瞭な効果がある。

 特に女性に多いのだが、自分の子どもや夫など、家族に「やってあげたい」という人が多いけれど、愉気法というのは、まず自分にやってみる方が、真の理解が得られると思う。

 愉気法を行う目的は、症状を無くすことではなく、治る力が働くという実感にある。この人は、まずそこに気がついてくれたので、私としてもうれしく思った。

 今、元局アナのタレントとスピリチュアル系整体師(?)の夫がニュースになったりしているが、こういう人が瞑想とか気とかについて語る内容が大きく報道されるというのは、正直迷惑この上もない。

 スポーツ選手でもカリスマ整体師に洗脳されているとか言われたりすることがあるけれど、自分の内面的なことを、人に話す(ことに身体的な手技を行う人に)ということ自体に、不信の目が向けられやすいからそうなってしまうのだろうが、自己主張の過剰な人がどうしても目立ってしまうので、よけいに世間の偏見が大きくなっていってしまう。

 そうすると、やっぱり「気」という言葉を出すと不審がられたりするし、気を他人に対する支配力か何かのように理解している人もいて、困ったものだと思う。

 そういう意味でも、自分で自分に手を当てて、自分の中にある「気」のはたらきを自覚してもらうことには、大きな意味があると思っている。

 今、また新型コロナの感染者が増加傾向にあって、各地で記録更新中だという。前と違うのは、地方での感染者が増加していることだ。

 でも、重症化率は低下しているようで、買い占めなども起こっていないし、今のところは冷静に受け止められているようだ。

 新型コロナウイルスでは、抗体ができるとかそういうこと(獲得免疫)よりも、自然免疫という特定のウイルスをターゲットにしない免疫系の働きが重要な意味を持っていると言われており、それがこれまでの感染症にはない特徴だという。

 もともとほとんどすべての生物の免疫系は、大ざっぱに自己と非自己の認識をして、大ざっぱに自然免疫を制御して寛容性を保つというのが主体なのだ(獲得免疫は脊椎動物のみ)。

 それでも世界中でワクチン開発に血道を上げているのは、経済的な効果と心理的な沈静化を狙っているのではないかと勘繰りたくなる。

そうでなくとも、結核などの統計的事実として、治療法や特効薬が確立する少し前から、死亡率や患者数が減少するという傾向があり、人間と疾病の関係は一筋縄ではいかないところがある。

 気のはたらきの一番重要なところは抵抗力の発揮だが、「免疫系は睡眠や休息によって増強され、ストレスによって損なわれる」というのは、整体に関わる人も、関係ない人にも共通している。また、熟睡できる状態を保つことは、気を調えることとつながっている。

 見えないウイルスに怯え、排除の論理が主流になっている今だからこそ、眼に見えないはたらきが、生きている間ともにあることを、愉気という手当法で再発見してほしい。

愉気

 手のひらを痛みのある部に当て、触れた部分の内部を感じるようにして、手から息を吐くつもりになる。手と触れている箇所が一体になっていくような感じになるよう手に注意を集める。

 

(補足)

新型コロナウイルス感染者で、無症状の人は、全般的に免疫反応が弱く、ウイルスと闘う武器である抗体をあまり作らない傾向があることが示唆されている。

ただ、多くのコロナウイルスでは陽性のケースのうち、55%が無症状であり、ほとんどのウイルスにおいて無症状感染の割合は70%を超えたという。(16~18年、米ニューヨーク市でかぜの原因となる従来型のコロナウイルスやインフルエンザウイルス等、18種類の呼吸器系ウイルスの検査を実施した結果より)

 若年者や子どもは重症がしにくいが、彼らは一般的に呼吸器系のウイルスに感染する機会が多く、それが新型コロナウイルスに感染したときの危険度を下げているのではないかとも言われる。すでに複数種類のコロナウイルスに暴露されているため、新型コロナウイルスに対する部分的な防御態勢が出来ていると考えられている。

特定の種類のコロナウイルスに感染して回復した人は、新型コロナウイルスを撃退したり軽症に抑えたりできるような「メモリーT細胞」を保有しているのではないかとも言われている。

一方、COVID-19による脳炎も、インフルエンザ脳症も、その原因として免疫系の暴走(サイトカインストーム)があると考えられている。

ナショナル・ジオグラフィックHPより要約)