アルダブラゾウガメ玄の生活 ― 気は心と体をつなぐもの

整体生活・野口整体と生きることをひとつに

体の乾燥注意報

 前回、内容が重複した記事が続いてしまって、後から最初に上げた記事を削除したのだが、まずその言い訳から始めたい。

 最初に記事を上げた後で、「うーん、ちょっとやり過ぎたかな」と思って、「控え目記事」に差し替えたのだが、後でその「やり過ぎ記事」も上がっていることに気づいたのだ。

 どうも投稿の日付指定を間違えて入れてしまったらしい。うわ!と思っても後の祭りで、結局「やり過ぎ記事」を残して「控え目記事」を削除することにした。読んでくださった方、申し訳ありません。

  さて先日、観ている人から「山登りで転んで、その時肋骨の下部を打ったのだが、そこが痛い。どうしたらいいだろうか」という相談があった。

 こういう時、「肋骨にひびか、骨折か?」と思い、心配するのが一般的だと思うが、整体ではまず「打撲」の方を警戒する。

 一般的に、怪我の場合は、華やかに骨折する方がその後の回復が良いことが多く、むち打ちとか打撲とか、中にショックが残るものの方が経過は良くないものだ。特に肋骨の場合は、臓器の多くがその中に入っているので、衝撃を吸収するために、ある程度は折れるようになっているとも言える。

 電話での相談ではあったが、その人の場合は、呼吸すると痛いというようなことはなく(折れていない)、転んだ数日後に痛みが出てきたとのことで、治癒過程にあると思った。

 私はこういう時、尾骨を温める手当てを勧める。これは頭を打った時の手当て法とされているが、転んで、はっとした時の心理的なショックによる緊張が弛むと、痛みに対する不安がやわらぎ、打ち身の経過も良くなるのだ。

 それから、愉気を勧めた。痛い処に的確に手のひらを当てて、その手のひらで呼吸するようなつもりになる。痛い時の方が、効果がある。

 気になるのは山に慣れているこの人が「転んだ」ということだ。捻れ型でもあり、だんだん汗が出にくい気候になっているし、寒くもなって来ている。体が乾いているような気がした。このところ、ちょっとストレス疲れがあったようなので、季節の変化に対する適応が遅れているのだろう。

 体が乾くと、口の周りに吹き出物が出たり、皮膚が白っぽくなってかさかさしたり、体が重くなり、硬張って、動きが鈍ったようになる。

 そこで、汁物、雑炊、温かい麺類、鍋もの、おでんなど、温かい食べ物から水分をとるように勧めた。温かい飲み物もよいけれど、食べ物のほうが水分の吸収が良い。水の吸収が悪くなってもいるので、そういう時は冷たい水や飲み物は素通りしてしまう。(暖房が強くなり、さらに乾燥する11月中ば位からは冷たい水が良い。)

 数日後、痛みがとれたというお礼の連絡がきた。良かった!

 この人に限らず、みんな、体が乾く時期に入っている。さらにマスク、殺菌、消毒、ソーシャルディスタンシング。こういうことで、心も乾いている。スープやお出しをたくさん飲んで、水分を取ってほしい。

(註)尾骨を温める
焼き塩を作って、奉紙などの厚手の紙に包み尾骨に当てる。熱っ!となったら離して、また当てる。局所に当てるのがポイント。めんどうならホッカイロを十分熱くして当ててもいい。