アルダブラゾウガメ玄の生活 ― 気は心と体をつなぐもの

整体生活・野口整体と生きることをひとつに

二度寝と食べ過ぎ

 二度寝と食べ過ぎ

 整体には「やってはいけない」と決まっていることがなく、「良くない」とはっきり言われていることは「二度寝(睡眠後、目がふっと覚めた後にもう一度寝てしまう事)」と「食べ過ぎ」位のものである。

 しかし、この二つはやめようと思っていても、「後で気が付く寝○○」になってしまうので、意思的節制で「明日からそうします」というわけにはいかない。

 できる人もいるそうだが、私(+多くの人!)はできないし、体調のいい時は、そうしようと思わなくても自ずとそうなるものだ。

 では、なぜ二度寝をしてしまうのか、というと、睡眠の質があまりよくなくて、体に硬張っているところがあると、そうなることが多い。

また、起きた時に腰や肩が痛かったりすると、「寝ている間に変になった」という人がいる。

 しかし、寝ている時の姿勢などで変になるということはなく、ほとんどが起きている時の問題で、特に床に入ってから、何か気になることをごちゃごちゃ考えながら寝た時は、熟睡できないので頭も体も緊張が抜けなくなる(偏り疲労が抜けていない)。

 ただ、痛いのは硬張りが弛もうとして弛み切らない、という場合が多く、痛みが出ることが悪いという意味ではない。

 野口晴哉先生は、

工夫や執着や憎しみや悩みを眠りの中に持ち込んではいけない。

天心にかえって眠ることである。

(丈夫な体をつくる方法『風声明語』)

 と言うが、せめて考えるのはやめて、静かな頭になってから床に入る方が、明日のためだと思う。どうせろくなことは考えない(悪い空想が多いし、思い出し喧嘩?をしている時すらある)のだし、いいことを思いつくのは目が覚める時の方が多い。

 さて、次は食べ過ぎ。整体でいう「食べ過ぎ」はカロリーや栄養など「量」の問題ではない。その時、その人の適量以上はすべて食べ過ぎだし、食べ物より「食べ方」に焦点を当てている(食べ過ぎて同化吸収できない栄養物は、体調が良ければ排泄に直行するが、悪い時は体内に停留して毒となる。太るだけではない)。

 私の整体の先生は、「味がしなくなってきたら(最初の「おいしい!」が薄くなってきたら)食べるのをやめる」という目安を指導していたが、これはぜひ、取り入れてほしい習慣だと思う。

 大体、食べ過ぎる時というのは、だらだら漠然と、味わうことなく食べている時が多くて、それこそふと気が付いた時には「なかったことにしたい」と思うぐらい食べているものだ。

 ケーキを食べる時も、ラーメンを食べる時も、集中してきちんと味わって食べればいいし、美味しかったらたくさん食べる時があってもいい。ただ、その時の「要求に適ったもの」が一番おいしい!ということを知ってほしい。

 ただ、調子に乗って食べてしまうこともあるから、自信のない時は、甘いものには飲み物(お茶・コーヒー・水)、味噌汁やスープなど、水分を用意するといい。

 二度寝と食べ過ぎの問題は、成育歴など潜在意識とも深く関わっていて、説明し出すときりがないのだけれど、身体感覚に注意を集めることと、「充ちる(知足)」という快感がものさしになっていくことが大切だと思う。