アルダブラゾウガメ玄の生活 ― 気は心と体をつなぐもの

野口整体を探究・実践する「整体生活」について

平均化訓練講座 二回目―体の記憶

体の記憶

 平均化体操の会から今の方式になって二回目の参加で、だんだん先生の様子(体癖も!)も見えてきて、慣れてきたような気がした。

 そして今回、怪我をして以来、無意識に動かそうとしていなかったところが動いたことを書いておこうと思う。ちょっと潜在意識的な内容なので、あくまで私の「主観」によるものだということをはっきりさせておきたい。

 一昨年の暮れ頃、丁度「先生がこのままでは死んでしまう」と思って不安に陥っていた頃、実は怪我をした。ある人とぶつかった弾みで倒れてしまったのだ。

 そのまま右膝を毀し、体重がかかると痛みで力が入らず、体が倒れてしまうようになった。

 骨には異状なく、先生に愉気をする必要もあって、次の日には正坐ができるようになり、3日目には倒れることも無くなった。

 4・5日後には足を引きずらないで歩けるようになったが違和感は残り、疲れると膝に痛みが出るようになった。もともと左重心で、左に偏よらせて動く習性はあるが、右の腰から足にかけて可動性が悪くなったことで、左偏りも強くなってしまった。

 私は内心、以前とは違った身体になってしまったような気がして、「治るかな・・・」と気にしていた。もちろん、自分で愉気操法もしたし、良くなりつつあったが、抜けきることができなかったのだ。

 しかし10日前、活元運動の途中で、立った際、無意識に倒れた時の体勢と倒れ方を再現していた。

 これはやろうと思ったのではなく、無意識にやってしまったのだが、その時の不自然に右腰と左を捻ってしまった動きと、びっくりを思い出し、その後、膝の痛みがはっきり戻ってきた。奥に入っていたものが出てきたような感じだ。

 私はこれで治る、と直感し、その後、右足の親指が時々攣るようになった。腰が動いてきたのだ。

 そして今回、平均化訓練講座の後半に入ってから、これまでより「力を入れる」ことに注意を向けてみた。自分がすぐに動きを手放してしまうことに気づいたからだ。前回書いた捻れ型八種のように(?)粘り強く追うことにした。

 すると、右の腰、膝、足首、足の親指とへと力が入り、動きの感覚がはっきりしてきた。すると、できないと思っていた動きを自然にやっていた。

 その後、立って歩いてみると、以前のように腰を落とした阿波踊りのような歩き方ができた。重心が中心に決まる感じが戻ってきたのだ(先生には失礼だが、こんなにすごいと思ったのは、正直、今日が初めてだと思う・・・)。

 講座の後、私はちょっと坐って休むことにし、今日のことを思い返してみた。そして、倒れて怪我をした時もだが、右足にちょっと体重がかかると体が横になるぐらい倒れてしまった時のショックと恐怖が大きいことに思い当たった。

 その時の恐怖で、実際の可動性よりも無意識に「動かなくなって」しまっていたのだ。足がすくんでしまったように。

 スポーツ選手などでも、大けがの後、恐怖で動きが小さくなって、スランプになる人がいる。小さなことだけれど、それに近いものだと思う。

 今、下体全体に軽い筋肉痛があり、右膝外側が少し痛いけれど、痛い=動かないという結びつきが切れたのがはっきりしている。そのうち痛みもなくなるような気がする。

 こういうのを整体では「体の記憶」という。脳だけではなく体も記憶していて、潜在意識化した記憶が症状を再現してしまうということだが、体に変化を起こすのは、記憶にまとわりついた恐怖、怒りなどの情動(感情)だ。

 当時の不安定な自分の心理状態が、嫌になる位思い出された。

 私の整体の先生の真骨頂は、潜在意識にあるものを日に当てて、体に対する支配力をなくすことだったが、こういう「治る体験」が一番潜在意識についての勉強になる。でも、まだまだだな・・・と反省した。

 講座の後、青山一丁目で降りて「ブッククラブ回」に寄った。ブッククラブ回は整体指導者だった方(故人)が始めた書店で、いろいろと懐かしかった。

 全生社の本も取り扱っていて、選書には定評があるので、心理学や精神世界、宗教、身体技法、自然療法などに興味のある方は足を運んでみてほしい。