アルダブラゾウガメ玄の生活 ― 気は心と体をつなぐもの

野口整体を探究・実践する「整体生活」について

平均化体操の会に初めて参加する

  私は野口整体に入門以来、誰かに何かを習うということはなかったし、やり方は見て覚える方が好きだし、先生と呼ぶのはこの先生だけと思ってきた。それが、どうして行ってみる気になったのかは自分でもいまだにわからない。

その上、こともあろうに私の先生が袂を分かった整体協会の先生であるというのは、弟子としては少々気が引けたが、このクラスは整体協会主催という色あいが濃くない印象だった。それに、野口晴胤氏が何に価値を置き、どういう取り組みをしているのかを見たいという気持ちもあった。

会場は月島にあり、私の引っ越し先を探す(いろんな事情で熱海から小田急沿線に引っ越すことにしていた)ついでに足を延ばすという形で、エイ!と行ってみることにした(でも本当は、ちょっと「潜入する」気分だった)。

 

 初回、私は電車に不慣れなので余裕を持って出かけ、到着した時には会場が開いておらず、先生かスタッフと思しき人が更衣室と開場時間の案内をしてくれた。後でその人は先生ではないことが分かったが、本人が来るとは思っていなかったし、野口晴胤氏のお顔は、一歳時のまん丸な写真を古い月刊全生で拝見しただけだったのでわからなかった(ちなみにこの写真の面影は、今あまりない。当たり前か・・・)。

 和室の会場にはわりと多くの人が集まり、クラスが始まった。その日、初めての参加者は私含めて三、四人だった。

偏り疲労の話が最初に出てきて、なんか整体っぽいな・・・と思っているうちに実技の説明が始まった。初めてクラスの割に意外と展開が早いが、やってみる方が先のようだ。そして、一人でやる基本的な三つの体操(名前があるが忘れてしまった)の後に、二人で組んでやる運動をするのだが、私が驚いたのはここからだった。

 説明が難しいが、向き合って手を合わせ、かなりの力で押し合いながら基本の動作をするのだった。私はこの時点で、やっとこの体操は整体とは構えが全く違うのだと気づいた。

 私が組んだのはちょっと体格の良い若い女性で、ふと不安になって対面して押してくるパートナーの女性の顔を伺ってみると、意外なことに攻撃的というよりは真剣な表情で、ほんのり上気した頬と目の輝きが美しかった。

 私は彼女のきれいさを見て安心し、そうだ、拮抗するぐらいに押せばいいんだ・・・と思って押してみることにしたが、押しながら動くというのは結構難しく、相手と対峙しているので動きが逆になったりするし、引き運動の時も押すというのが大変だった。手・腕を起点にした動作は、私の普段の動きの中にはあまりないせいもあるかもしれない。

 正直言って、その後私はうやむやの裡に初回クラスが終わってしまったので、これ以上のことを書くのが難しいのだが、終わった後の参加者の顔を観察してみると、すっきりしたいい表情をしているし後の場にも清浄さがある。まだよくは分からないけれど、私の中にも明るさと快感があった。それで、これはきっといいものなんだな・・・と思った。

 体に対する支配力を高めるのではなく、体を解放していこうとする方向性をやはり持っているようだ。未完成な感じもあるけれど、純粋さと質の良さを漠然と感じた。

 活元運動の会では運動が出なかったりすることもあるけれど、個々の水準で積極的に参加できる素地があるのはいいことだと思う。

 その日、中心的な役割を務めた若いスタッフの方と少し話ができて、彼にも好感が持てた。活元運動のような「反応」はこの体操にはないようだが、頭の緊張が続いていた私はちょっと頭が重くなったので、少し休んで帰宅した。