アルダブラゾウガメ玄の生活 ― 気は心と体をつなぐもの

野口整体を探究・実践する「整体生活」について

平均化体操体験記

平均化体操を知ったきっかけ

 先生の葬儀の後、私は虚脱感からなかなか抜けだせず、自分でもどうしてよいのか分からなかった。

 何かちょっと、身体的に活を入れたいのだけれど、その時の状態では、自分だけでは難しかった。他の先生の整体指導というのは、今、受ける気がしない(多分、今後も受けないだろう)。

 

 そんな頃に思い出したのは、野口晴哉先生(野口整体創始者)夫人・昭子氏の著書に、野口先生が三代目となることを期した(生後すぐのこと)と書かれている、野口晴胤氏が始めた身体技法?のことだった。その話を初めて聞いたのはもう何年も前のことで、ある最悪なイベントの後、先生の道場に来た某整体指導者から聞いたのだった。

 それは「新しい整体体操(※)のようなもの」という今一つ要領を得ない話(私は先生から整体体操を教わったことはない)だった上、先生にとって整体の後継者とは整体指導を行っていくことに他ならない(組織とは無関係)し、イベント後のトラブルで少々不機嫌だったこともあってか、「整体指導はやってないのか・・・?」という反応だった。

でも、私は先生の隣でその話を聞きながら、内心興味を持っていた。そもそも生まれたばっかりなのに将来を決められ、それを本に書かれるとは残酷だと思ったし、どのような理由でそれを始めたのかは分からないが、そういう環境でクラシックな整体指導以外のことを始めるのは勇気のいることだ。

 その時の話を聞く限りでは、私の興味の中心である心と身体のつながりに関与するものではなく、身体的なものという印象だったけれども、やっていることそのものより「整体をやっていたこの人が大切だと思っていることは何だろう」ということに興味を持ったのだった。

※整体体操・・・活元運動ではなく、野口晴哉氏が設計した全身の脱力を図ることを目的とした体操。野口晴哉『整体入門』、『整体法の基礎』参照。