アルダブラゾウガメ玄の生活 ― 気は心と体をつなぐもの

整体生活・野口整体と生きることをひとつに

整体生活

骨格筋の生理と心理

要求と運動系 先日、知人宅で「立ちたい要求はあるがまだ立てない赤ちゃん」に会う機会があった。その子はおすわりしたまま楽しそうに飛び跳ね、お尻が床からぽんぽん浮いていて、この運動をほとんど骨盤部(仙骨部)の力だけでやっていた(大人にはできない…

体を立て直すことと立ち直ること

昨年は整体の先生が亡くなるという、私がこれまで生きてきた中では最大の衝撃ともいえる出来事があった。しかしその後、心と体を立て直していく過程で、「脱力」と「偏り疲労の調整」という整体の智慧がこれほど有難いものか、と身を以って再認識することに…

体と向き合う

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。 ところで、新年早々、あんまりいい話ではないけれど書いておきたいことがある。 お正月に実家に帰って古い知人に会い、彼が昨年受けた腰椎の手術の話を聞く機会があった。この人は整体と…

眠ることと「死」

少し前に、やっと会うことが叶った修験僧について書いたが、先日、その人の行う御護摩(※)にお招きいただき、参加させて頂いた。通常、御護摩は月末なのだが、今月は偶然、私の整体の先生の月命日に行なわれることとなったのだった。 参加するのは初めてだ…

「個」と全体の関係 2

小学校の学級というのもひとつの人間社会であって、子どもなりに精いっぱい背伸びしたり、負けずに頑張ろうとしたりしているものだ。しかし、その集団の中で外れているように見える子がいる。最近までクラスの中心にいた子が外れたように見える時もある。 担…

「個」と全体の関係 1

私は、ちょっとだけお手伝いをしていたフリースクールのご縁で、学習介助(普通学級に在籍している障害のある子どもに付いて、手助けをしたり個別の勉強を一緒にしたりする仕事)のアルバイトをしたことがある。ちょうど、整体の指導者となる道を歩むか否か…

むずかしい「偏り疲労」のお話 2

大雑把に体の面だけで言うと、偏り疲労とは、体のある部分に力が入ってしまったまま、脱力できなくなっている(または力が抜けている)状態を言う。そういう時、その部分は体全体の緊張と弛緩のリズムと運動から外れてしまい、動きを失い、感覚も鈍くなって…

むずかしい「偏り疲労」のお話 1

平均化体操の会に行くと、前説で偏り疲労についてのお話が毎回ある。偏り疲労というのは野口整体独特の言葉で、身体の観察の焦点となっている。最初は、会の始めに難しい「偏り疲労」の話をすることに少々驚いた。 自分で自分の偏り疲労を捉えるのには、それ…

修行

前々回書いたように、最初に先生の胸椎七番の異常を観た後、私は平均化体操を知り、修験道の僧と出会った。それもあの最悪なイベントを主催した人の縁で知ったのだ。そして先生の死後、この二つにまた出会うことになった。何だか不思議な気もするが、用意さ…

他愛のない体癖の話 前後型

野口整体には体癖(詳細は野口晴哉『体癖』を参照)という人の観方がある。 正確には背骨の観察、無為動作、その人(心と身体両面で)の刺激反応の仕方などを通して判断するものだが(体量配分計は道場にあるけど私はやったことがない)、面白い写真を見つけ…

修験僧に会う 2

今回会いに行った修験僧に初めて会ったのは6年程前、ある最悪なイベントの後、某整体指導者から平均化体操の話を聞いた年の秋だった。そして、この「最悪なイベントの後」は、私が先生の胸椎七番の異常に最初に気づいた時でもあった(胸椎七番には癌の兆候…

修験僧に会う 1

先日、前回(一人称の背骨)で書いた、長い間会いに行けなかった人に会うことができた。この人は、修験道の僧である。私は以前から修験道に関心があって、それは祖父の影響によっている。 私の祖父は大工の棟梁だったが、ごく若い時に御幣を切る役割を引き継…

活元運動の意味

私がなぜ活元運動の前に行なう体操を考え始めたかというと、私が整体の先生から学んだ個人指導のあり方と関係がある。 私の整体の先生は、若い頃はやっていたようだが、後年、活元運動の会をやっていなかった(奥様が今から15年程前から始めた)。その代り、…

活元運動のための体操 再開  

昨日、長く通っている人が個人指導に来たので、私は「活元運動の前にする体操」をもう一度教えてみることにした。 この体操は、前屈みで鍬を持ち、畑を耕すおばあちゃんが、うーんと腰を伸ばして休息する時の姿をヒントに考えたものだ(何て単純素朴なんだろ…

腰椎三番の心理

②私が体操を考えていた頃 こんなことから、私は活元運動の会が「もうちょっと何とかならないかな」という思いを以前から持っていた。それには身体感覚に注意を集めて、自分の体の状態を把握する内観的(体の中に降りていく瞑想的)な要素を教えていくことが…

腰椎三番の心理

①平均化体操の会 4回目ならず 平均化体操は四回目に入る予定だったが、あろうことか!私は開始時刻に間に合わず、会場には行ったもののすでに始まっており、参加見送りとなった。もうがっかり・・・。やわい腰椎三番がさらに抜けてしまうくらいがっかりしてしま…

病症を経過する

三回目の会の後、私は整体の先生と私の体の状態が、非常によく似ていることが気になり始めていた。もともと、性差の違いは大きいものの、本当によく似ていて、体癖も非常に近く、左重心で、ものごとの受け取り方、感覚や好みも似ていて、手の形まで似ていた…

野口整体の死生観

先生が亡くなる前日の早朝、先生が救急車で搬送されたという連絡が入った。私は先生には道場で最期を迎えてほしいと内心切望していたが、それは叶わず先生はICUに入ったのだった。 私は医師の説明が行われる場に同席することになった。もう治療をする段階で…

活は入ったか?

平均化体操の会参加の後、私は不用品を整理しよう!と思い立った。身体に活を入れるという最初の目的は達したのかもしれない。まず着なくなった古い服から着手することにしたが、いざとなったら、何かが足りない。私はもともと物の整理は得意ではなく、スイ…

私の整体生活を確立する

今年に入って、私の野口整体の先生が亡くなった。 このブログを新たに始める気になったのは、そのことがきっかけだ。 私の中心に野口整体があることは、もう自分の信念になっている。 でも、私にとっての野口整体は、いつも先生とともにあったのも事実だった…